シベリア南東部トキンスキー・スタノビク山脈の高山植物相の特徴と日本の高山植物相, 東シベリアの極地植物相との関係

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  • Characteristics of the Alpine Flora of the Tokinskyi Stanovik Mountains, Southeastern Siberia in Relation to the Japanese Alpine and Eastern Siberian Arctic Floras
  • Characteristics of the alpine flora of the Tokinskyi Stanovik mountains,southeastern Siberia in relation to Japanese alpine and eastern Siberian arctic floras
  • Characteristics of the alpine flora of

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抄録

シベリア南東部に位置するトキンスキー・スタノビク山脈の高山植物相を初めて明らかにし, 1)日本の高山植物相, 2)東シベリアの極地植物相との定量的な比較をおこなった。トキンスキー・スタノビク山脈の高山植物51科・136属・278分類群(274種4亜種)のうち, 73分類群(26%)は日本の高山植物相にも現れ, 154分類群(55%)は東シベリアの極地植物相にもみられる。さらに1)トキンスキー・スタノビク山脈の高山植物には極地・高山性のヤナギ属やユキノシタ属の種が多数みられること, 2)主要10番目までの科や特に属の類似性を考慮すると, トキンスキー・スタノビク山脈の高山植物相は日本の高山植物よりも東シベリアの極地植物相に似ていることが分かった。このことは, トキンスキー・スタノビク山脈がアジア北部における極地-高山植物の移動経路において地理的・歴史的に重要な一角を占めていることを反映した結果と思われる。日本の高山植物相では, 主要10科・属の種数/全植物種数の比率が小さく, 特定の分類群に偏らない傾向がある。シベリアの高山植物相や極地植物相に較べて日本の高山植物相が温和な気候に支配されているためと思われる。東シベリアの極地植物相はイネ科やアブラナ科, マメ科, イヌナズナ属の種数が多い点で他の2植物相から区別される。

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参考文献 (28)*注記

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