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Abstract
フタバムグラ連のサツマイナモリソウ属とPentas属について観察した。前者では花盤管束が次々分岐され,子房周辺部を昇り最後に花盤へ入る。Pentas属では子房基部から上部へゆくにつれ,子房周辺部の管束は次第に数を増す。これは主にがく管束の分離によるものである。図12-Fに示したように,花冠の基部に明らかな割れ目がみられる。しかしそのすぐ上では完全に筒になっている。いいかえれば上部は合弁花冠でありながら基部が離弁になっている。フタバムグラ連の子房は多数の胚珠をつける。一般に胚珠の数は多いものが原始的とみられているが,この連の胎座は大きくふくらんでいるわりには細い柄をもっている。このような特殊な形態から判断して,この連の胎座は特殊化したものと思われる。原始的な被子植物の胎座はナス科やウリ科のように大きくふくらんでいることはなく,心皮の縁片に胚珠が生ずる単純な型である。SCHUMANNは,主に多数の胚珠をつけることから,フタバムグラ連をアカネ科の中でも比較的原始的な群と考えていたようであるが,上に述べたような考えから賛成できない。子房周辺部におけるがく,花冠,雄ずい,花盤,心皮などの管束が互に強く合着していることや花冠裂片が敷石状になっていることなどからもフタバムグラ連は特殊化しているとみなされる。心皮の背側管束は花柱へ入るため容易にそれと認め得るが,腹側管束の方はまだよくわからない点がある。胎座の中へ入る管束をすなおに腹側管束とみなすこともできるが,これまで観察したものから総合的に判断すると,ソナレムグラやClarkella nanaのように隔壁の最外部を昇る管束を腹側管束とみなし,胎座管束は腹側管束から独立したと解釈した方がよさそうである。このことは今後さらに検討するつもりでいる。
Journal
- Acta phytotaxonomica et geobotanica [List of Volumes]
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Acta phytotaxonomica et geobotanica 30(1〜3), 85-92, 1979-05-30 [Table of Contents]
The Japanese Society for Plant Systematics