汽水湖沼, 宍道湖・中海の珪藻 : I.Mastogloia属

書誌事項

タイトル別名
  • Diatoms of Brackish Water, Lake Shinji and Lake Nakaumi : I. The Genus Mastogloia THWAITES
  • 汽水湖沼,宍道湖・中海の珪藻-1-Mastogloia属〔英文〕
  • キスイ コショウ シンジコ ナカウミ ノ ケイソウ 1 Mastogloiaゾ

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抄録

汽水湖沼,宍道湖・中海水系よりMastogloia属の珪藻を記載した。本水系からはMastogloia exigua LEWIS, M. pumila (GRUN.) CL.の2種が観察された。M. exiguaの個体変異幅は大きく,特に蓋殻の中心域の形態,側線(lateral line)の発達の程度の変異は著しい。一般に,大型の蓋殻の中心域は蝶型であり,小型の蓋殻では横に広い長方形である。側線の発達は大型の蓋殻ほど著しく,側線を有しない蓋殻も観察された。この種は1つの区画輪(partectal ring)に8から12個の区画(partectum)を有するが,区画列の両端の区画のみ常に他より小さい。M. paludium VOIGT, M. pseudexigua CHOLN., M. pumila var. lanceolata FRENG.は共にM. exiguaの変異に含まれることから,これらをM. exiguaのシノニムとした。M. pumilaはM. exiguaと蓋殻の形において類似するが,側線の構造,区画の配列様式の点で異なる。M. pumilaの個体のおよそ58%に蓋殻の異極性が認められた。蓋殻の異極性を有するMastogloia属の3種が知られている。こられでは蓋殻の形と区画の配列の両者において異極性が認められるが,本標本では単に蓋殻の形のみ異極性が見られた。両者の分布は中海の北西部に限られた。

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