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Abstract
99) ホソホノガリヤス 樺太幌登岳に産するノガリヤス屬の一植物は葉が短くて柔かくて且粉白を帶びて居る點や穂が狹い點等で類似のサイトウガヤ類のものと區別が出來るので新種と認め採集者樺太博物館長菅原繁蔵氏にちなみ Calamagrostis Sugawarai OHWI とし和名は穂の形ちによつてホソホノガリヤスと呼ぶ事にする。 100) Carex ciliatifructus OHWI. 同く菅原繁蔵氏が樺太の幌登岳で採集されたスゲで,ヒラギシスゲに似て居るが雌花鱗片が鋭尖頭に終るのと果嚢が長味を帶びてその上方に〓毛がある點が違ふ,ヒラギシスゲとマシケスゲとの間の雜種と思はれるので上記の學名を與へる。 101) ヤマクボスゲ ウマスゲやオニスゲに似た植物でその何れよりも果嚢が短かいものが栃木縣地方の溪間に産する,昨年宇都宮市の關本平八氏から此の植物を送つて頂だいたが標本が少なくて判らなかつた。それで改めて同氏にお願ひして今春充分な採集をして貰ひそのおかげでまだ知られて居らぬ種類であることが確められた。和名のヤマクボスゲは同氏が日光町山窪の地名にちなんで命名されたものである。 102) クヂウツリスゲ 今春九州の久住山に行つたとき外觀エゾツリスゲに似て葉鞘部が紫色を呈し果嚢の先きが急に細まるスゲを採集した。此のものは類〓關係から云へばオホタマツリスゲ即ち Carex Rouyana FRANCH. の方に近いものでそれとは株に成らぬ事や雌小穂が短かくて且つ密に果嚢を付ける點が違ふ,産地にちなんで Carex kujuzana OHWI クヂウツリスゲの名を與へる。103) フクロスゲ Carex mollissima CHRIST は從來西比利亞のエニセイ,イルクツク,トランスバイカル等の地方にのみ知られて居たもので今度初めて本邦のスゲ屬フロラ中の一員となつた,本邦では樺太敷香郡の國境に近い氣屯と半田澤との中間の濕潤地に生育して居るが見た所餘り澤山はない様であつた。外觀上エナシヒゴクサを大きくした様なものであるが果嚢の先端や花柱の模様などを見れば反つてオニナルコの節に入るべきものである事が判る。果嚢の膨れて居る所からフクロスゲと新稱する。
Journal
- Acta phytotaxonomica et geobotanica [List of Volumes]
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Acta phytotaxonomica et geobotanica 1(4), 297-305, 1932-12-01 [Table of Contents]
The Japanese Society for Plant Systematics