脳梗膜動静脈瘻の外科的治療 : 特に上矢状静脈洞および横-S字状静脈洞周辺部病変について

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タイトル別名
  • Surgical Treatment of Dural Arteriovenous Fistulas around the Superior Sagittal and Transverse Sigmoid Sinuses

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抄録

上矢状静脈洞ならびに横-S字状静脈洞周辺部に発生した硬膜動静脈瘻の治療は, 主として血管内塞栓による治療法と外科的に摘出する治療が行われている.この病変の治療を行うにあたって最も大切なことは, 瘻の完全な消失を得ることである.さもなくば必ず再増大して出血の危険性が生じてくる.血管内治療は侵襲性が少ないことより最近よく行われているが, 必ずしも安全な手段ではない.経動脈的に行われば瘻の消失を得ることはきわめて難しいので, 経静脈的に行われる場合が多い.しかし本来の脳静脈からの灌流を障害する危険性があり, さらには静脈梗塞を生じさせる危険性もある.われわれは経動脈的にある程度塞栓を行ったうえで, 外科的に病変を摘出する方法を治療の第1選択としてきた.確かに外科的摘出は術中出血や正常な脳静脈を損傷する危険もあるが, 瘻を完全に閉塞させる確率は他の治療法よりもはるかに高いと考える.また術前の十分な画像診断の検討に加えて, 術中のBモードエコーによる病変に侵された静脈洞の正確な診断や, マイクロドップラーによる導出静脈の確定により, より安全に病変を摘出することが可能であり, 他のどのような治療法よりも優れていると考える.

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