小児の髄液短絡術に伴う腹腔内髄液仮性嚢胞 : 12症例における検討

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タイトル別名
  • Abdominal Cerebrospinal Fluid Pseudocysts associated with Ventriculo-peritoneal Shunt in Children : Report of Twelve Cases and Review of the Literature

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抄録

1985〜1999年までの15年間に兵庫県立こども病院において経験した,シャント機能不全後にpseudocystを認めた12例(1歳7カ月〜14歳までの男児9例,女児3例)を対象として,pseudocyst形成までの患児の状態,臨床症状,検査所見,治療,予後等の臨床像について検討した.pseudocystの形成群は平均2.5回の再建術を行っており,シャント感染の既往は3例であった.最後のシャント手術からpseudocystの形成までの期間は1カ月〜9年(平均3.3年)であった.12例中8例は術後2年以内に,5例は術後1年以内に発生していた.12例中11例は腹部症状を認め,特に年少児や精神発達遅滞のある小児にシャント機能不全症状を認めた.12例中9例に感染徴候が認められた.培養では表皮ブドウ球菌6例,黄色ブドウ球菌2例が検出された.特に年少児では感染所見を認めた.12例中6例は,シャント造影または腹部CTにて診断可能であった.治療法としては,感染所見を認めなくとも腹側チューブの位置変更では根治できない可能性があり,シャント抜去後にextraventricle drainage(EVD)を行い,腹部所見の安定化および髄液の炎症所見の消退を確認後に改めてV-Pシャント再建を行う方が再発率は低かった.

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