脳血管造影時塞栓症により一過性全健忘発作をきたした1例

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  • Transient Global Amnesia following Occurrence of an Embolism associated with Cerebral Catheter Angiography: A Case Report

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抄録

一過性全健忘発作(TGA)はさまざまな誘因および基礎疾患に随伴して発症する症候群であり,病因の特定が困難なことが多い.脳血管造影時にもTGAがしばしば経験されるが,その発生機序や病因に関して画像診断から考察された報告は少ない.われわれは椎骨動脈造影申の左後大脳動脈閉塞によりTGAが発症した1例を報告した.その後の血管造影にて再開通が確認されており,塞栓症が原因と思われた.さらに,SPECTStudyでは臨床症状と脳血管造影所見に一致して一過性に左側頭葉前内側部に血流低下を認めた.このように脳血管造影時TGAが塞栓症によることを他覚的な画像診断により検討された報告はなく,非常に興味深いと思われた.予後については多くの場合良好とされるが,一部に持続性の記憶障害や視野障害を残すことがあるため,機材の改良のみならず術者の技術や判断力の向上が脳血管造影合併症の低減に重要と思われた.

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