第4脳室類上皮腫 : 臨床像とその外科治療

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  • Epidermoid Tumor of the Forth Ventricle : Clinical Features and Surgical Treatment

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抄録

過去5年間に経験した5例の第4脳室類上皮腫症例を報告し,特にMR所見と神経所見,手術所見との対比,および摘出時の注意点を考察した.神経所見は小脳虫部症状を主とし,病状の進行とともに,下位脳神経麻痺がみられた.画像診断に関し,腫瘍のMR所見は非特異的であるが,神経所見の重症度は脳幹部,特に延髄の変形の程度と関連し,このことは明らかに手術の難易度とも関係があった.すなわち,全例にrhomboid fossaの下半部,hypoglossal trigone, vagal trigoneに相当する部位に癒着がみられ,下位脳神経麻癖を示した3症例では特に強く,意図的に腫瘍被膜の一部を残した.術後の観察期間は平均27カ目で,ごく軽度の神経症状を残すものの,全例が病前の社会的立場に復し,再発はない.これらの事実から,術前のMR所見の重要性を述べ,摘出に際し,癒着の強固な部位とその処理について述べた.

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