卵巣過剰刺激症候群に合併した脳底動脈塞栓症の1例

• 福田 健志

  岩手県立大船渡病院脳神経外科

• 小笠原 邦昭

  岩手県立大船渡病院脳神経外科

• 太田原 康成

  岩手県立大船渡病院脳神経外科

• 紺野 広

  岩手県立大船渡病院脳神経外科

• 鈴木 豪

  岩手県立大船渡病院脳神経外科

• 小川 彰

  岩手県立大船渡病院脳神経外科

書誌事項

タイトル別名

• Basilar Artery Embolism complicated with Ovarian Hyperstimulation Syndrome : A Case Report

抄録

ヒト閉経期ゴナドトロピン-ヒト絨毛性ゴナドトロピン(human menopausarl gonadotropin-human chorionic gonadotropin ; hMG-hCG)療法により卵巣過剰刺激症候群を呈した37歳の女性が,突然の意識障害,脳幹部症状をきたした.脳血管撮影で左後大脳動脈起始部の閉塞性病変を認めた.血液検査では,赤血球の増加,軽度のヘマトクリット値の上昇,Dダイマー・FDPの上昇,AT IIIの低下,TATの高値と凝固能亢進を呈していた.発症様式,脳血管撮影,血液検査から脳底動脈の塞栓症と診断した.卵巣過剰刺激症候群においては,hMG投与による高エストロゲン血症が引き起こす凝固亢進状態と,hCG投与による黄体からの血管内皮増殖因子と,アンギオテンシンIIの過剰分泌による血管内脱水の2つの要因により,血栓化傾向をきたすものと考えられる.卵巣過剰刺激症候群が,脳血栓塞栓症の原因となることを銘記すべきである.

収録刊行物

• Japanese Journal of Neurosurgery

  Japanese Journal of Neurosurgery 12 (8), 575-579, 2003

  日本脳神経外科コングレス

キーワード

• ovarian hyperstimulation syndrome
• basilar artery embolism
• hypercoagulability

詳細情報

• CRID: 1390282679384399872
• NII論文ID: 110003813705
• NII書誌ID: AN10380506
• DOI: 10.7887/jcns.12.575
• ISSN: 21873100
• ISSN: 0917950X
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcns/12/8/12_KJ00003227260/_pdf
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2003314074
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可