Intravascular lymphomatosisの1例

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  • A Case of Intravascular Lymphomatosis

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抄録

稀なintravascular lymphomatosisの1例を報告する.症例は73歳,男性で,痴呆,記憶障害,性格変化,右同名性半盲,小脳躯幹失調を呈して来院した.FLAIR MRIでは右前頭葉,脳梁膝部,左後頭葉,小脳に多発性の高信号域を認めた.左後頭葉病変に対して開頭生検術を行った.免疫組織学的手法を用いた病理組織診断では,large B cellの細小血管内の増生を認めた.組織診断の後,迅速に全脳照射(2Gy×25=50Gy)を行い,多剤併用化学療法(C-VEPA; Ara-C, vincristine, cyclophosphamide, prednisolone, adryacin)を続けた.診断から11カ月経過した現在,症状および画像所見は安定している.予後は診断および治療開始までの期間に左右されるが,intravascular lymphomatosisの診断は容易ではない.精神状態および局所神経学的症状が,数週間または数カ月の間に進行する場合に想起しなければならない鑑別診断の1つであり,MRIのFLAIR像による診断が特に有用であろう.

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