化学不妊剤(メテパ, ヘムパ)のトウゴウヤブカ (Aedes togoi) に対する電顕で観察された精子奇形について

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of chemosterilants (metepa, hempa) on spermatogenesis of Aedes togoi observed by electron microscopy
  • 化学不妊剤(メテパ,ヘムパ)のトウゴウヤブカ(Aedes togoi)に対する電顕で観察された精子奇形について〔英文〕
  • カガク フニンザイ メテパ ヘムパ ノ トウゴウヤブカ Aedes togoi

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抄録

化学不妊剤をトウゴウヤブカ第4期幼虫に24時間浸漬し, 蛹化率, 羽化率, 不妊率を測定し, 同時に, 電子顕微鏡により雄蚊成虫の奇形精子発生率を観察した。メテパ処理群0.1,0.05%では, 成虫はほとんど得られなかった。0.01%では, 平均不妊率はコントロールが3.5%に対し48.2%, 奇形精子の発生率は, コントロールが2.8%に対し, 10.3%を示した。ヘムパ処理群では, 平均不妊率は, 0.05%で79.1%, 0.01%で44.5%を示した。平均奇形精子発生率はそれぞれ7.9%, 5.9%とわずかの上昇がみられた。奇形精子発生率の上昇は, 不妊率の増加に比べて小幅にとどまり, 明確な相関はみられなかった。しかし, 奇形精子のうちaxical filament complexを2本以上もつ奇形精子の発生率は, メテパの0.01%処理群では, コントロールの0.25%に対し, 3.11%を示し, 不妊率の増加とよく相関していた。

収録刊行物

  • 衛生動物

    衛生動物 37 (2), 121-126, 1986

    日本衛生動物学会

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