デザイン創造過程における思考の抽象度と創造性の関係 : デザイン創造過程におけるドローイングの役割(2)

• 永井 由佳里

  筑波技術短期大学

• 野口 尚孝

  千葉大学

書誌事項

タイトル別名

• Relations between Creativity and Abstraction Level of Thinking in Creative Design Process : On the Role of Drawings in Creative Design Process(2)

抄録

デザインの創造的な思考過程を言葉から形への変換過程と考えた場合, デザイン目標として与えられたキーワードによってどのように思考モードが異なるかを知るため, 約80人の被験者に実験をおこなった.まず形への変換の難易度が異なる二種類の言葉からそれらに相応しい花瓶の形を考えさせる課題を課した.その結果, 形に結びつきにくい言葉の場合はキーワードから連想できる具体的な事実や対象を描くことから花瓶の形を考える傾向があることがわかった.次に「悲しい気持ちにさせる」というキーワードに相応しい椅子の形を考えさせた.その結果, 形に結びつきにくい言葉の場合, ドローイングの過程でキーワードから思い浮かべられる人間の姿勢やものの状態などを媒介にして, 言葉の意味を形に近いレベルにまで構造化し, 椅子の形に結びつけていることがわかった.以上から, デザイン思考過程における思考の抽象度をデザイン目標から形としてのデザインの創出までの距離として考えれば, この距離が長いほど思考の努力が必要であり, その過程でのドローイングの役割も大きいことが推測できた.

収録刊行物

• デザイン学研究

  デザイン学研究 48 (4), 185-194, 2001

  一般社団法人 日本デザイン学会

キーワード

• Design Creativity
• Thinking Process
• Abstraction Level

詳細情報

• CRID: 1390282680387830528
• NII論文ID: 110003825249
• NII書誌ID: AN00150292
• DOI: 10.11247/jssdj.48.185
• ISSN: 21865221
• ISSN: 09108173
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可