紋枯病によるソルガムの減収程度と紋枯病抵抗性の関係

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  • Relationships between the Yield Loss and the Resistance to Sheath Blight (Rhizoctonia solani Kuhn) in Sorghum

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抄録

ソルガム紋枯病(Rhizoctonia solani Kuhn)に対する抵抗性育種素材を選抜するため,その際に指標となる減収程度と紋枯病抵抗性の関係について検討した。試験は1985年に行い,用いた材料はグレイン型,兼用型,ソルゴー型で合計72品種・系統である。1品種・系統当り15個体について,AG-1菌糸融合群に属する病原菌を,播種から2ヵ月後に半覆土法によって接種した。罹病調査は成熟期に行い,病原菌を接種した10個体について葉鞘高(HF),病斑高(HL)を測定し,圃場抵抗性の指標として病斑高率(RLH ; HL/HF,%)を求めた。また,1品種・系統当り5個体の病原菌接種株および非接種株の乾物収量を測定し,減収程度の指標として次式で相対乾物重(RDM)を求めた。RDM = 接種株の乾物重÷非接種の乾物重(%)病原菌接種による発病は順調で,接種株の草丈,桿長,葉鞘高,穂長および穂首の抽出長は非接種株より有意に減少した。供試品種・系統の病斑高(HL)は9cm-70cm,病斑高率(RLH)は7.4%-100%,相対乾物重(RDM)は24.8%-100%で,紋枯病の罹病程度および減収程度に大きな変異が認められた。RLH (x)とRDM (y)の関係は1/y = 0.0100+0.0002 (x-14.2) (R^2 = 0.742)の逆数モデルに適合し,減収が始まるRLHは14.2%であった。HLとRLHの関係から導かれた紋枯病抵抗性系統の圃場における接種検定の選抜基準,病斑高20cm以下,病斑高率20%以下による選抜は,RLHとRDMの関係から見ても減収程度の少ない抵抗性品種の育成に適当であると考えられた

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