大気CO_2濃度の上昇がペレニアルライグラス(Lolium perenne L.)とアカクローバ(Trifolium pratense L.)の収量に及ぼす影響.

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  • Effects of Elevated Atmospheric CO_2 on Forage Yields of Perennial Ryegrass (Lolium perenne L.) and Red Clover (Trifolium pratense L.)

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抄録

大気中の二酸化炭素(CO_2)濃度(現在約370ppm)は,今世紀中に約2倍(700ppm)になると予測されている。そこで本研究は,ペレニアルライグラス(以下PR)とアカクローバ(RC)の単播草地を,北大農場のオープントップシャンバー内に作出したCO_2濃度2水準(通常と2倍)×窒素肥料2水準(無施肥と施肥)の環境条件下で2年間に渡り栽培して,CO_2濃度の上昇が乾物収量および分げつ又は葉柄の数とサイズに及ぼす影響を調査した。PRでは,CO_2濃度の倍化により,分げつ数とそのサイズがそれぞれ増加して,収量は1年目から一貫して上昇した。一方RCでは,収量の上昇が1年目は僅かであったが,2年目から顕著であった。1年目の上昇率が低い要因として,葉柄数がCO_2濃度の倍化に反応しなかったことが挙げられた。これらのCO_2反応を反映して,PRの収量は平均43%上昇したが,RCでは30%であった。これらと過去に報告された増加率を比較した結果,将来おこるCO_2濃度の上昇は,PRとRCの収量を他の地域に比べ北海道で特に大きく増加させると推測された。

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