泌乳牛のストリップ放牧下における排糞過繁地の季節推移

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  • Seasonal Changes of Area of Dung Patches under Strip Grazing for Lactating Dairy Cows

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抄録

泌乳牛のストリップ放牧下における排糞個数およびその分布と排泄された糞およびそれに起因する排糞過繁地の面積の推移を2年間にわたり調査し, これらの結果から放牧地全体に占める糞および排糞過繁地の面積の季節推移を推定した。約1haのイネ料マメ科牧草混播草地に5頭(LS)および7頭(HS)のホルスタイン種泌乳牛を2年連続で5月から10月まで放牧した。放牧は1日5時間(2.5時間×2回)とし, 1日単位のストリップ放牧を行なった。放牧地に排泄された糞の個数とその位置を各輪換毎に記録し, また6月, 7月および9月に排泄された糞とそれに起因する排糞過繁地の面積の推移を2年間調査した。放牧地における輪換毎の平均排糞密度はLS, HSで0.021および0.025/m^2であった。排泄された糞の分布パターンはLSではボアソン分布(ランダム分布)に, HSでは負の二項分布(集中分布)に良く適合した。しかし, HSでも放牧回次が進むにつれて翼の分布はランダム分布に近づいた。排泄された個々の翼の面積はその排糞時期に関らず, 時間とともに徐々に減少したが, いずれの場合でも放牧期間の終了までに完全に消失することはなかった。個々の排糞過繁地の面積は, 糞が排泄された季節と放牧条件によって影響されたが, いずれの場合でも二次曲線的な推移を示した。また, LSに比べHSの個々の排糞過繁地面積は常に低く推移した。放牧地全体でみると, 糞の合計面積は季節の進行に伴ない直線的に増加し, 放牧期間の最後では放牧地面積の1.3-1.5%を占めた。排糞過繁地の合計面積は, 両区とも7月以降に増加, 9月で最大値を示し, 最大時での排糞過繁地の合計面積はLSでは放牧地のおよそ20%, HSではおよそ11%を占めると推定された。

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