牛糞によるイヌビエ(Echinochloa crus-galli (L.) Beauv.)とメヒシバ(Digitaria adscendens (H.B.K.) Henr.)種子の拡散の可能性

書誌事項

タイトル別名
  • Viability of Echinochloa crusgalli (L.) Beauv. and Digitaria adscendens (H.B.K.) Henr. Seeds Excreted in Feces from Cattle
  • ギュウフン ニ ヨル イヌビエ Echinochloa crus galli L Beauv ト メヒシバ Digitaria adscendens H B K Henr シュシ ノ カクサン ノ カノウセイ

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抄録

乾草中に雑草種子が混入している場合, 牛糞を通して耕作地に雑草種子が伝播する危険性が懸念される。そこで本研究では乾草中に含まれる両雑草の種子数を推定した。(実験1)次に雑草種子の発芽能力に対する消化作用の影響を第1胃内と第4胃内の消化過程にわけて解析する目的で, 第1胃液と第4胃液(塩酸・ペプシン液)を用いたin vitroにおける両雑草の種子の消化液処理を実施した(実験2-1.)。さらにin vivoにおいても検証するため, 覚醒種子と休眠種子を牛に給与する実験を行った(実験2-2.)。乾草1kg中に含まれる両雑草の種子数は両雑草の被度が高くなるとともに増加し, 両雑草が優占する採草地では10,000個以上の種子が乾草1kg中に含まれると推定された。両雑草種子の発芽に第1胃液処理の影響は少ないが, 第4胃液処理は発芽率を顕著に低下させた。また, in vivoにおける実験では, 糞中に排出された両雑草の覚醒種子はほとんど発芽しなかったが, 休眠種子の発芽率はメヒシバが20%以上, イヌビエでは給与前と同等の値を示した。以上のことから採食された両雑草種子, 特に休眠種子であった場合は牛糞内に発芽能力を持ったまま排出される可能性が高いことが明らかになった。

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