校庭開放における運営方式の機能と利用圏形成メカニズム : 学校開放による公共スポーツ施設の整備計画に関する研究 その 1

書誌事項

タイトル別名
  • A STUDY ON THE ADJUSTMENT OF THE PUBLIC SPORTS INSTITUTION BY THE OPEN SCHOOL TO THE PUBLIC (No.1) : On the Function of the Management Method and the Formation of the Use Area about the Open School Ground to the Public
  • 校庭開放における運営方式の機能と利用圏形成メカニズム--学校開放による公共スポーツ施設の整備計画に関する研究
  • コウテイ カイホウ ニ オケル ウンエイ ホウシキ ノ キノウ ト リヨウケン

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抄録

(1) 校庭開放の開放運営方式は, 教委方式と管理センター方式からなる集中方式と, 地域方式と学校方式と専任方式からなる分散方式に類型化される。(2) 開放校の利用圏は, 開放運営方式によって大枠を規定されながら, 利用グループの結成型とスポーツ種目毎の行動特性や地域発生分布特性などの内在的要因と, 開放校の立地分布や校庭規模などの外的条件によって形成される。(3) 集中方式では, 近距離利用指向を持ちかつ市域に分散分布する地域型グループと, 必ずしも近距離利用指向を持たずかつ都心部に偏在する職域型グループの利用が混在し, 開放校の立地分布とのギャップから利用圏の拡大や錯綜が必然的に生じている。この結果, コミュニティ利用は大きな圧迫を被っている。更に, 職域型に野球利用が多いにもかかわらず, 都心部には野球が可能な大規模校庭を有する学校が極めて少ないことが, この傾向の拡大要因になっている。(4) 分散方式では, 職域型及び任意型グループが半ば排除され, 残る地域型グループによって利用圏は学区内程度に狭域化する。この傾向は, 専任方式よりも地域方式において, またその両者よりも学校方式において顕著である。(5) コミュニティ利用と広域利用の合理的配分と利用圏の適正化を計るには, 小中学校の施設的・立地的条件を考慮しつつ, 利用グループの発生率及び行動特性と地域発生分布に基づいた, 地域配置方式とそれに相応しい開放運営方式を設定することが必要である。詳しくは, 本稿の分析結果を踏まえて次稿で提案したい。末尾ながら, 本稿を纒めるにあたって貴重な御助言を載いた大分大学教授片岡正喜先生に謝意を表します。なお, 本研究の一部は日本建築学会大会及び九州支部研究報告に発表したものであり, また研究費の一部に文部省科学研究費を使用したことを付記する。

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被引用文献 (1)*注記

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