注入土質安定剤の特性(その2) : リグニン系樹脂

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抄録

土質安定剤のリグニン系樹脂について, その物性, 注入処理土の力学特性, 加圧ゲルの間ゲキ貫通抵抗および土壌や水質汚染について室内実験を中心にまとめている。1)パルプの排液のリグニンにクロム酸塩を添加し, クロムリグニンのゲルを造り, これにより土を硬化させる。希釈水として海水を用いると蒸留水よりもゲルタイムは短い。2)1軸圧縮強さと養生日数, 平均初期間ゲキ比の関係は, 海水では養生3日で最高値9.5 kg/cm^2,蒸留水で5日, 9.7 kg/cm^2で, その後, 6~10日ぐらいまで漸減し, あとはほぼ一定値を示す。初期間ゲキ比(<ei>^^^-)との関係は, <ei>^^^-が大きいと強度は急減する。3)処理砂のセン断曲線の特性, 処理砂のセン断定数, ヒズミ, 応力曲線の特性, 力学特性の経年変化, 乾燥, 水浸による強度変化などについて, 平塚海岸砂, 豊浦相馬標準砂および鹿児島シラスを用いて, 処理土と未処理土との対比で検討している。その結果, リグニン系樹脂による処理の効果が示されている。最後に, 毒性の強い重クロム酸ソーダを含むことから, 取扱いや対策についての若干の指摘がなされている。

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