除雪の作業条件と呼吸循環応答

  • 山下 弘二
    青森県立保健大学 健康科学部理学療法学科
  • 三浦 雅史
    青森県立保健大学 健康科学部理学療法学科
  • 李 相潤
    青森県立保健大学 健康科学部理学療法学科
  • 吉岡 利忠
    青森県立保健大学 健康科学部理学療法学科

書誌事項

タイトル別名
  • Working Conditions and Cardiorespiratory Responses during Snow Removal

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抄録

本研究では,除雪の作業条件と呼吸循環応答について検討した。被験者は,健康な若年者群12名(平均年齢20.5 ± 1.0歳)と中高年者群11名(平均年齢49.2 ± 7.8歳)であった。ショベル除雪とダンプ除雪をマイペースで行い,作業条件と呼吸循環応答の指標について,若年者群と中高年者群とで比較検討した。ショベル除雪の投雪頻度は中高年者群より若年者群の方が有意に高値であった。ショベル除雪では,酸素摂取量と一回の投雪重量とに正の相関関係を示した。ダンプ除雪では,酸素摂取量と投雪頻度とに正の相関関係を示した。ショベル除雪とダンプ除雪の運動強度は若年者群と中高年者群とで有意な差を認めなかった。しかし,相対的強度は,中高年者群の方が若年者群より有意に高値を示した。ショベル除雪の強度の平均は6.7 Mets,peak VO2の70.7%,Anaerobic Threshold(AT)レベルであった。ダンプ除雪の強度の平均は8.3 Mets,peak VO2の89.2%,中高年者群ではATレベルを越えていた。除雪作業中の拡張期血圧は,中高年者群の方が若年者群より有意な上昇が認められ,ダンプ除雪で顕著であった。中高年者群の除雪の強度はATレベルより大きく,特にダンプ除雪では血圧の上昇に注意が必要であった。

収録刊行物

  • 理学療法学

    理学療法学 30 (5), 273-279, 2003-08-20

    日本理学療法士学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (18)*注記

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