Angelman症候群一症例の理学療法経過

  • 綾 伸二
    琴の浦リハビリテーションセンター若竹園

書誌事項

タイトル別名
  • Progress of Physical Therapy for a Case with Angelman Syndrome

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抄録

Angelman症候群(Angelman syndrome; AS)は,重度精神遅滞を主要な症状とし,容易に誘発される笑いとあやつり人形様歩行(失調性歩行)を特徴とする疾患である。今回,生後10ヵ月より4年1ヵ月間継続している一症例の特徴的臨床所見を3期に分類し検討した。第1期(10ヵ月〜2歳7ヵ月)では,失調症状の改善に伴いつたい歩きが可能となった。第2期(2歳8ヵ月〜3歳9ヵ月)では,特異的な行動(以下AS行動)が出現したことにより上部体幹に過緊張をもたらしたため,過緊張抑制手技を取り入れた。3歳9ヵ月時,室内歩行は自立したがあやつり人形様歩行を呈した。第3期(3歳10ヵ月〜4歳11ヵ月)では,理学療法の継続に伴い過緊張の減少及びあやつり人形様歩行の改善がみられた。同時に,AS行動に対して周囲の人々が落ち着いた対応を心掛けることでAS行動の自己抑制も可能となった。

収録刊行物

  • 理学療法学

    理学療法学 27 (7), 245-252, 2000-11-30

    日本理学療法士学会

参考文献 (17)*注記

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