左室部分切除術後に植え込み型除細動器を導入し, 致死的不整脈から救命しえた1例

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  • An Implantable Cardioiverter-Defibrillator Rescue a Patient from Potentially Lethal Arrhythmias after Partial Left Ventriculectomy

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抄録

末期の非虚血性心筋症に対する左室部分切除術(PLV)の遠隔期において,致死的不整脈の管理は重要な因子である.今回PLV術後に植え込み型除細動器(ICD)により遠隔期の突然死を免れた症例を報告する.症例は36歳の男性で,僧帽弁逆流I度と重度の三尖弁逆流を合併した拡張相肥大型心筋症であった.常温体外循環・心拍動下に三尖弁輪縫縮,PLV,僧帽弁置換術を行った.術後早期から難治性の致死的不整脈を発症したため術後3日目にICDを植え込んだ.退院後腎不全の増悪を契機に致死的不整脈が再発したが,ICDにより不整脈死を免れ,血液透析を導入し不整脈は消退した.ICDは,致死的不整脈の危険性を有する患者において薬物療法に比して心臓突然死の再発率を有意に低下させる.本報告は,ICDの予防的植え込み術の適応を妥当とするものではないが,PLV術後の難治性致死的不整脈に対して適応が考慮される症例があると思われる.

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