極低出生体重児に対する当院の介入・療育アプローチの効果の検討

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タイトル別名
  • Effects of an Early Intervention Approach for Very Low Birth-Weight Infants

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抄録

本論文は当院の低出生体重児に対する介入・療育アプローチを提示し,極低出生体重児を対象としてその効果について検討した。対象は極低出生体重児20例で,平均出生時体重は1022.8g,平均在胎週数は28.9週であった。これら対象児をコントロール群と介入実施群の2群に出生時期により分類した。コントロール群(8名)は介入・療育アプローチは行わず,介入実施群(12名)は在胎週数に換算して修正40週から44週の4週間,週3回の割合で全12セッション,1セッション30分程度の介入・療育アプローチを行った。効果判定の指標として2群の①修正44週時のブラゼルトン新生児行動評価の各クラスター値,②修正40週時と44週時のブラゼルトン新生児行動評価の各クラスター値の変化率,③修正12カ月時のベイリー乳幼児発達検査を用いた。その結果,ブラゼルトン新生児行動評価では介入実施群はコントロール群に比べて方位反応,運動調整,状態調整,自律神経系の調整の各クラスター値,及び補足項目の平均値で有意に改善を示した。また修正12カ月時のベイリー精神運動発達検査の精神発達指数と運動発達指数では2群間で有意差はなかったが,介入実施群はコントロール群と比較して,それぞれの指数で正常範囲まで達している児の割合が高かった。これらの結果から介入・療育アプローチが新生児行動の安定・組織化を図り,乳児期の発達を促すものと考えられた。

収録刊行物

  • 理学療法学

    理学療法学 25 (1), 6-13, 1998-01-31

    日本理学療法士学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (34)*注記

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