歯軸方向エックス線撮影法を用いた上顎犬歯埋伏位置に関する臨床統計学的調査

  • 辻,けい子
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部再生修復医歯学部門顎口腔再建医学講座口腔顎顔面矯正学分野
  • 三木,善樹
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部再生修復医歯学部門顎口腔再建医学講座口腔顎顔面矯正学分野:札幌医科大学医学部口腔外科学講座
  • 堀内信也,堀内信也
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部再生修復医歯学部門顎口腔再建医学講座口腔顎顔面矯正学分野
  • 森山啓司,森山啓司
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部再生修復医歯学部門顎口腔再建医学講座口腔顎顔面矯正学分野

書誌事項

タイトル別名
  • A clinicostatistical study on the location of the impacted maxillary canines using vertex occlusal radiography

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抄録

上顎犬歯の埋伏は,埋伏歯の中でも比較的高頻度でみられ,局所的な不正咬合のみならず,審美的,機能的にも問題となることが少なくない.上顎犬歯が埋伏する原因について未だ不明な点も多いが,埋伏の唇舌的位置に人種による相違を認めるという報告もみられ,埋伏位置やこれに関わる要因を検討することは,臨床的指針を得るのみならず埋伏の原因を考える上で非常に有益である.そこで本研究では,当科における上顎埋伏犬歯の唇舌的位置を把握するとともに顎顔面形態,叢生量,治療方法等について臨床統計学的検討を行った.研究対象として,徳島大学医学部・歯学部附属病院矯正歯科を受診した口唇裂・口蓋裂を始めとする先天異常患者を除く上顎犬歯埋伏患者のうち,歯軸方向エックス線写真を撮影した59名73歯(男子20名,女子39名,平均年齢13歳4か月)を用いて埋伏犬歯の位置を詳細に検討したところ,以下の結果を得た.1.白人を対象にした報告と比較し,唇側に埋伏する割合が多い傾向が認められた.2.口蓋側群において,上顎歯槽基底弓長径・幅径および,ANB角が有意に小さかった.3.上顎のアーチレングスディスクレパンシーについては,両群間に有意差は認められなかった.4.開窓牽引処置を行った症例が両群ともに多く,歯肉退縮,歯根彎曲等の弊害がみられた.以上の結果より,歯軸方向エックス線撮影法を用いて埋伏犬歯の位置を検討することは矯正治療計画を立案する上で有用であると考えられた.

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参考文献 (28)*注記

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