フッ化物洗口の実施経験別にみた新潟県下12歳児DMFTの経年推移

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  • A Longitudinal Study in Caries Prevalence in 12-year-olds in Areas With or Without Fluoride Mouthrinsing Programs

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抄録

新潟県内のフッ化物洗口(以下,F洗口)の実施地域(36市町村)と未実施地域(37市町村)における12歳児DMFTの経年的な推移について検討した。評価期間は1982〜1993年度とした。分析対象はF洗口を管内のすべての小学校で6年以上継続実施している市町村と未実施の市町村とした。F洗口を実施している料については,開始時期別に,1970年代開始群,1982〜1985年度開始群,1986年度開始群の3群に分類して分析を行った。未実施群のう蝕は漸減傾向にあり,全国平均に極めて近い傾向を示した。評価期間以前にF洗口の効果が現われていたと考えられる1970年代開始料は,未実施群と同様,漸減傾向を示したが,う蝕は一貫して少なかった。1993年度における未実施料と比較した1970年代開始群のDMFTの差は43.2%であった。一方,評価期間中に注目を開始した群では,F洗ロ開始以後のう蝕の減少量が未実施料よりも大きく,その減少傾向は統計的に有意であった。未実施料のう蝕減少量を考慮して1993年度時点のF洗口の補正減少率を算出した結果,82〜85年度開始群が45.1‰86年度開始群が31.1%であった。以上より,F洗口によるう蝕の予防効果は,F洗口以外の要因の影響によるのう蝕の減少を除外しても高いことが確認された。

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参考文献 (33)*注記

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