透過レーザー法による咬合平衡状況を指標とする咀嚼機能評価法に関する研究

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  • Evaluating Masticatory Function Based on Occlusal Balance Measured by a Laser Method

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抄録

健常歯列者およびブリッジ装着前後の第一大臼歯1歯喪失患者を対象として,複数の咬合平衡に関する評価法について比較検討し,次の結果を得た。1.健常歯列者を対象とする評価から,透過レーザー法による歯冠相当部体積の重心偏値率の平均値が8.1%だったのに対し,感圧紙法のWタイプの咬合力重心価値率では20%を超えて有意(p<0.01)に大きく,咬合力の重心の価値量は大きく表示される。また,前・後基準点との距離関係から重心位置の比較を実施したところ,透過レーザー法は感圧紙法Wタイプに比較して重心-後基準点間距離が有意(p<0.01)に長く,重心がより前方に位置していることがわかった。2.ブリッジ装着患者を対象とする評価から,透過レーザー法によるブリッジ装着前の価値率の平均値は44.3%だったが,装着後には同8.1%と有意(p<0.01)に減少し,ブリッジ装着による咬合平衡状況の回復が観察できた。ブリッジ装着後の摂取障害食品の有無と,装着後の価値率の大小とを比較した結果,摂取障害食品の有無と,健常歯列群の偏値率を超える者,以下の者の割合について関連が認められた(p<0.05)。以上のようなことから,口腔の恒常性維持の観点から,透過レーザー法による歯冠相当部体積の重心を用いた咬合平衡状況から,咀嚼機能の適正な評価がなされる可能性が示唆された。

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