矯正患者を対象とした予期せぬ咬合変化や下顎頭の変形・吸収の発現に関するアンケート調査

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  • Questionnaire survey about unexpected occlusal changes and condylar deformities and resorption in orthodontic patients

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抄録

歯科矯正患者を対象に, 動的治療中や保定中に突発的な下顎の後退や後下方回転, または側方偏位を起こし, 不安定な咬合をきたした患者, およびその下顎頭の変形や吸収などの器質的変化の発現状況についての実態調査を行う目的で, 歯学部附属病院歯科矯正科31科にアンケート調査を依頼した.アンケートの回答は31施設中21施設(回答率 : 67.7%)から送られた.その結果を以下にまとめた.1. 不安定な咬合変化をきたした症例は, 治療中の症例で22, 774症例中122例(0.54%)であり, 保定中のものでは15, 334症例中52例(0.34%)であった.2. それら症例の治療前における不正咬合の分類では上顎前突が最も多く, 次に下顎前突, 叢生, 開咬の順であった.3. 使用していた矯正装置と不安定な咬合の発現との間に関連性は見いだされなかった.4. 下顎頭に変形や吸収が認められた症例は動的治療中で16症例, 保定中では7症例であり, 咬合不安定症例の約13%であった.骨形態の分類ではdeformityが最も多かった.以上から, 歯科矯正患者の中に顎関節の変形性関節症を疑わせる咬合変化を生じる患者がいることが明らかとなった.

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