上下顎小臼歯抜歯症例における咀嚼機能の変化

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  • Changes of masticatory functions in the premolar extraction cases

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抄録

上下顎小臼歯抜歯を伴う矯正治療を施行し, 咬合の改善を図った場合の咀嚼機能の変化を縦断的に評価した.被験者は昭和大学歯科病院において上下顎小臼歯抜歯を伴う矯正治療を受けた19名の不正咬合者である.咀嚼機能については, 咀嚼能力, 顎運動, 筋電図, 咬合接触点数を治療段階から初診時, 上下顎小臼歯抜歯後, 保定開始6カ月から1年後の計3回測定した.本研究の結果は以下のとおりであった.1. 咀嚼能力は初診時に比べ, 抜歯後に減少するものの, 保定時には初診時のそれとほぼ同程度になり, 統計学的に治療段階による差異が認められた.2. 咀嚼運動リズムにおいては治療段階による差異は認められなかった.3. 保定時における側頭筋・咬筋の放電持続時間の変動係数は減少する傾向がみられた.4. 咬合接触点数は治療段階による差異は認められなかった.以上の結果から上下顎小臼歯抜歯症例において咀嚼機能は低下しないことが明らかになった.

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