移植前の矯正力が実験的自家移植歯の歯根吸収に及ぼす影響

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  • Effects of pre-transplantable jiggling force on root resorption of the experimental autotransplanted of teeth in vivo

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抄録

抜歯前の矯正力が歯の自家移植の予後を良好にするか否かを調べるためイヌを用いて検討した.雄性成犬(6頭)の上顎左右切歯の唇, 口蓋側の歯槽骨に小型インプラントを植立し, これらを固定源とした唇舌的矯正移動を移植前に行った(実験歯).移植前矯正を行わない対照歯は実験歯の同側隣在歯とした.矯正力は50gとし, 口蓋側, 唇側移動を各2週間行うjiggling forceとし, 左右の切歯を入れ換える歯の移植を行った.移植歯を2週間固定し, さらに4週間経過観察したのち潅流固定で組織片を摘出し, 4個体では脱灰切片を作成した.残り2個体では歯の移動開始直後より屠殺3日前まで2週間毎にテトラサイクリンとカルセインを交互に計3回ずつ皮下投与し, 摘出組織片はVillanueva Bone Stain溶液で陰圧下にて骨染色し, レジン包埋した(非脱灰切片).組織標本は矢状面にて切断し, 3連続の脱灰切片と2-3連続の非脱灰切片を写真撮影し, セメント質までの歯根総面積(A)と歯根吸収部分の面積(B)より画像処理ソフトウェアにより歯根吸収率(B/A×100, %)を算出し, 2∿3切片の平均で統計処理をした.その結果, jiggling forceは抜歯時の動揺度を有意に増加させ, 抜歯時間と歯根吸収率を有意に減少させ, 歯の自家移植を行う際の好ましい因子であることが示唆された.

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参考文献 (43)*注記

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