理学療法と車いす

  • 廣瀬 秀行
    国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Physical Therapy and Wheelchair

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抄録

今まで車いすの作成は坐幅, 奥行き等の寸法を決めていく手法であった。しかし, この手法は以下のようないくつかの問題点を持っている。1)車いす上で測定するため, そばにあった車いすに近い形状になること, 2)寸法測定がスリングシートのたわみ等で誤差が起き易いこと, 3)身体角度の評価をしていないこと, 4)クッションの決定は後回しとなっている, 5)重力下で無力性脊椎など頭部体幹のつぶれを無視している, などがあげられる。ここでは, まず坐位姿勢の表現手法について説明し, 次に車いすの設計手法, 特にクッションの選択や車いす形状の設定手法におけるマット評価について言及する。車いす坐位姿勢の表現 坐位姿勢は機能的, 生理的, 移動手段, 坐り心地, 外観, そして介護に影響する。特に, 不良姿勢は生理的に関係する褥瘡の発生や脊柱変形による呼吸, 消化, 嚥下など多くの問題を起こす。つまり, 車いす上の姿勢を評価し, 起こりえる患者様にとっての問題点を指摘する必要がある。また, 新たに車いすを提供する場合, 提供前と後の車いすでの姿勢がどの程度変化したか把握する必要がある。

収録刊行物

  • 理学療法学

    理学療法学 32 (4), 313-317, 2005-06-20

    日本理学療法士学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (11)*注記

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