高電圧パルス電流療法の肩関節機能改善効果:―経皮的電気刺激療法との比較―

この論文にアクセスする

この論文をさがす

著者

抄録

【目的】電気刺激療法の一つである高電圧パルス電流療法(High Voltage Pulsed Current Therapy :HVPC)の特徴としては、1.150V以上の高電圧での出力、2.ツインピークパルスを使用、3.パルス幅の短いパルス電流である。今回、その刺激効果に関し、HVPCと経皮的電気刺激療法(Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation :TENS)との比較を検討し若干の知見を得たので報告する。<BR>【対象者及び方法】疼痛を伴った肩関節に可動域制限のある患者11名(HVPC群6名、TENS群5名)を対象とした。対象者には運動療法とHVPC又はTENSを施行した。治療期間は約4週間で、肩関節機能改善度合を治療前後の肩関節可動域とVisual Analogue Scale (VAS)の2つの変数で測定した。<BR> 電気刺激装置は、(株)伊藤超短波社製、総合電流刺激装置ES-520を使用した。<BR> HVPCは周波数130Hz,パルス幅10μsで疼痛部位に対して5秒10回を数箇所、筋収縮を起こさせない程度の電圧にて実施した。<BR> TENSは周波数130Hz、パルス幅50μsで疼痛部位に対して、筋収縮を起こさせない程度の電流にて15分実施した。<BR> 統計処理は、Wilcoxon検定にて各群の施行前後の効果判定を実施し、各群の差についてはMann-Whitney検定を実施した。<BR>【結果】HVPCを実施した群では、肩関節屈曲、伸展、外転、外旋方向において、危険率5%以下で有意な可動域の改善が得られた。<BR> TENS群では肩関節屈曲、外旋方向において、危険率5%以下で有意な可動域の改善が得られた。<BR>両群の間では有意な差は得られなかった。<BR>【考察】HVPCのような定電圧制御装置では、ピーク電流は大きくなるが、平均電流量は少ない。そのため、疼痛が出現しにくく比較的強い電流強度が得られやすい。また、ツインピークパルスを使用しているため、1発のパルス刺激よりも脱分極を引き起こすのに有効である。<BR> 今回、HVPC群とTENS群共に肩関節の可動域の改善が見られた。また、両群の間には統計学的に有意な差はみられなかったが、HVPC群の方が良好な傾向を示した。<BR> このことより、HVPCの鎮痛効果は、TENSと同等の効果かそれ以上であることが示唆された。<BR> 今後、症例数を増加し、TENS実施群とのさらなる比較検討を行いたいと考えている。

収録刊行物

  • 日本理学療法学術大会

    日本理学療法学術大会 2004(0), F0693-F0693, 2005

    公益社団法人日本理学療法士協会

各種コード

ページトップへ