腎細胞癌患者における内因性サイトカイン産生に関する研究

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  • STUDIES ON THE PRODUCTION OF ENDOGENOUS CYTOKINES IN PATIENTS WITH RENAL CELL CARCINOMA

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抄録

腎細胞癌患者13例および健常者5例より分離した末梢血単核球 (PBMC) をOK432および macrophage-colony stimulating factor (M-CSF) 刺激下に培養し, その上清中の tumor necrosis factor (TNF) 活性をL929細胞に対する殺細胞効果によって, また interferon-γ (IFN-γ) 活性を50%細胞変性効果阻止法によって, それぞれ経時的に測定した. PBMCを0.05KE/ml濃度のOK432にて刺激した時, 最も高い, TNF活性が誘導されたが, 0.01KE/ml~0.5KE/mlのOK432の各濃度によって誘導されたIFN-γ活性について, それぞれ明らかな差を認めなかった. TNF活性は培養開始後12時間で最高値に達し以後漸減傾向を示したが, IFN-γ活性は培養時間とともに上昇する傾向が認められた. PBMCをM-CSF単独刺激下に培養した時, 培養上清中にTNF活性は誘導されなかったが, 培養開始後48時間と72時間において, 100U/mlのM-CSFと0.05KE/mlのOK432を併用することにより, OK432単独刺激に比べ有意に高いTNF活性が誘導された. 5例の腎細胞癌患者に, OK432を週3回, 8週間投与したところ, 3例において血清中TNF活性の増加が認められた. 以上OK432によりTNFやIFN-γの産生が誘導されることが示唆され, biological response modifier による内因性サイトカインを介した制癌療法の意義が示された.

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