Insulin-degrading enzyme の内因性阻害物質の精製に関する研究

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  • Affinity purification of an endogenous inhibitor of insulin-degrading enzyme

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抄録

現在までの数多くの報告によりInsulin-degrading enzyme (IDE)の細胞内インスリン代謝における生理的重要性が注目されているが,その活性調節機構についてはいまだ明らかではない。IDEの活性調節機構を検討するため,酵素とその阻害物質の特異的結合を利用したアフィニティ精製法を用いて,IDEの内因性阻害物質の精製を試みた。IDEに対する特異的単クローン性抗体をカップリングしたカラムにラット肝可溶性分画をapplyすると,そのインスリン分解活性の97%以上がカラムに結合した。このカラムに肝可溶性分画を熱処理し,硫安分画を行った後にapplyすると,約5%のインスリン分解限害活性がカラムに結合した。高pHのbufferにてカラムからIDEと阻害物質は同時に溶出され,その後,イオン交換,ゲル濾過の2種のクロマトグラフィーにて内因性阻害物質を精製した。最終精製産物はSDS.PAGE上14Kdの単一bandを示した。その阻害形式は競合型であり,インスリンとIDEとのcross-linkingをも阻害した。高度に精製されたIDEとその内因性阻害物質は細胞内インスリン代謝機構の解明に有用であると考えられる。

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