食習慣指導と関連した食品物性と咀嚼筋活動の評価

  • 泉,麗奈
    九州大学大学院歯学研究院口腔保健推進学講座
  • 井村,麻貴子
    九州大学大学院歯学研究院口腔保健推進学講座
  • 今村,暢良
    九州大学大学院歯学研究院口腔保健推進学講座
  • 五百井,秀樹
    九州大学大学院歯学研究院口腔保健推進学講座
  • 名方,俊介
    九州大学大学院歯学研究院口腔保健推進学講座
  • 中島,昭彦
    九州大学大学院歯学研究院口腔保健推進学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of food textures and muscles activity for consideration to the masticatory training

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抄録

食品の軟食化は下顎骨の成長, 形態に影響を及ぼし, 歯列や咬合の不正を引き起こす可能性があるといわれている.また摂食食品の物理的性状は, 咀嚼時の筋活動量と密接に関連していると考えられる.そこでわれわれは顎や歯列に十分な圧刺激を加えることを目的とした食習慣指導のあり方を検討するため, 食品物性と咀嚼筋活動の関係を調べた.実験対象として平均年齢20.5±1.4歳の女性21名を用いた.被験者に食品物性の異なる被験食品9種類を咀嚼させ表面筋電図を採得し, 咀嚼筋活動量の指標として規準化積分値および咀嚼回数を算出した.被験食品については, 5つの物性値である, かたさ, 凝集性, 弾力性, ガム性, 咀嚼性を計測し, 以下の結果を得た.I. すべての食品物性において, 食品物性値と規準化積分値の総和に有意な正の相関が認められた.特にガム性と咀嚼性は, 他の物性と比較して高い相関係数を示した.II. すべての食品物性において, 食品物性値と1ストロークあたりの規準化積分値には有意な相関は認められなかった.III. すべての食品物性において, 食品物性値と咀嚼回数との間に有意な正の相関が認められた.特にガム性と咀嚼性は, 他の物性と比較して高い相関係数を得た.今回の研究において, 異なる食品物性に対する咀嚼粉砕能の適応は, 1ストロークあたりの筋活動量の増加ではなく, 咀嚼回数の増加により調節されている事が示され, 特にガム性, 咀嚼性が高い食品はより多くの筋活動を得ることができると示唆された.

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