脳卒中片麻痺患者におけるFunctional Reach Testと片脚立位保持時間の測定の意義

  • 藤澤 宏幸
    東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科
  • 武田 涼子
    東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科
  • 前田 里美
    公立刈田総合病院リハビリテーション科
  • 早川 由佳理
    公立刈田総合病院リハビリテーション科

書誌事項

タイトル別名
  • Significance of Functional Reach Test and One-footed Standing Duration in Hemiplegia: Relationship between Balance and Walking Abilities
  • ―歩行能力との関係に着目して―

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抄録

本研究の目的は,脳卒中片麻痺患者における立位バランス指標間の関係および立位バランス能力と歩行能力との関係を明らかにし,臨床におけるFunctional Reach Test(FRT)と片脚立位保持時間測定の意義を検討することである。対象は脳卒中片麻痺患者27名(年齢67 ± 11歳)で,左片麻痺16名,右片麻痺11名であった。測定項目は麻痺側片脚立位保持時間(OFS-as),非麻痺側片脚立位保持時間(OFS-ss),FRT,10m歩行テストで,相関係数および3次元散布図を用いて測定項目間のデータの関係を検討した。結果,FRT,OFS-as,OFS-ss間では全ての関係で非線形の有意な相関があった(p < 0.01)。また,OFS-asは重複歩距離(ρ = 0.81,p < 0.01)および最大歩行速度(ρ = 0.76,p < 0.01)との関係で高い非線形の相関があった。結論として,FRTが25cm以上可能なグループには非麻痺側で麻痺側の機能低下を補償している群と,両下肢の機能が良好な群の2群の存在することが明らかとなった。また,最大歩行速度を1.0m・s-1以上に改善させるためには,麻痺側片脚立位保持能力を高める必要性のあることが示唆された。

収録刊行物

  • 理学療法学

    理学療法学 32 (7), 416-422, 2005-12-20

    日本理学療法士学会

被引用文献 (8)*注記

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参考文献 (28)*注記

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