都道府県の人口10万人当たり歯科医師数の20年間の変化と歯科大学(歯学部)の特性との関連 : 一般化線形モデル(GLIM)分析による検証

書誌事項

タイトル別名
  • The Relationship between Dental Schools and the Supply of Dentists in the 47 Prefectures of Japan for a 20-year Period, Analyzed with the Generalized Linear Models (GLIM)
  • トドウフケン ノ ジンコウ 10マンニン アタリ シカ イシスウ ノ 20ネンカン ノ ヘンカ ト シカ ダイガク シガクブ ノ トクセイ ト ノ カンレン イッパンカ センケイ モデル GLIM ブンセキ ニ ヨル ケンショウ

この論文をさがす

抄録

わが国における戦後の歯科医師需給施策は, 1960年代後半から70年代にかけて歯科大学(歯学部)の急増策で始まったが, 1980年後半から一転して抑制策に転じた.しかし入学定員の20%削減, 国家試験の改善だけでは十分に功を奏さないことが明らかである.そこで本研究においては, 1982年から2002年までの20年間の人口10万人当たりの歯科医師数(歯科医師10万比)の都道府県較差に着目して, 増減の源である歯科大学(歯学部)の設置主体と社会経済的および地理的特性のかかわりを明らかにすることを目的とした.要因分析にはGLIM法: 一般化線形モデル法を用い, 将来予測は回帰式の外挿法によった.さらにこれらの結果に基づき, 歯科医師需給調整施策について検討した.20年間の歯科医師10万比の推移は, 全都道府県で相関係数が0.96以上で明確な直線的増加傾向を示し, かつ地域較差は縮減していない.GLIM分析で国公立大の存在がその都道府県の歯科医師10万比の急増に最も関連が強く, 国公立大は設置都道府県に対して新規参入歯科医師への強い吸引力を示した.しかし, 近隣都道府県への波及効果は予想に反して有意ではなかった.また供給過剰の閾値を歯科医師10万比80人とすると, 20年後に5割強の都道府県が供給過剰になると予測され, 需給対策には既存の全国的施策に加えて歯科医師臨床研修地の分散化が有効と考えられた.

収録刊行物

被引用文献 (4)*注記

もっと見る

参考文献 (14)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ