プロテインキナーゼC(βI_及びβII_分子種)の脳内分布 : 特異的抗体の作製及び免疫組織学的検討

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  • Localization of βI_ and βII_ subspecies of protein kinase c in rat brain : Production of specific antibodies and immunocyotchemical analysis.

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抄録

プロテインキナーゼC (PKC)の分子種であるβ_1 とβ_2にそれぞれ特異的なアミノ酸配列を選びオリゴペプチドを合成しこれを抗原として各分子種に特異的な抗体を作製し,これを用いてラット脳におけるβ_1-PKC,β_2-PKCの分布を免疫組織化学的な手法で解析した。各分子種は共に広く分布していたが,そのパターンは異なっていた。β_1-PKC免疫陽性細胞は三角中隔核,橋核に特に多量に存在し,次に多い領域は嗅球の糸球体層,前嗅核,側座核,原始嗅皮質,大脳皮質,内側中隔核,対角帯,腹側淡蒼球,尾状核被殻,淡蒼球,視床(背側外側核,網様核),背側外側膝状核,前視蓋領域,外側及び前視床下部領域,背側内側視床核,外側手綱核,後交連,後交連巨細胞核,上丘灰白質,脚間核,腹側蝸牛核,舌下神経核,外側楔状核,外側網様核であった。β_2-PKC免疫陽性細胞は,前嗅核,嗅結節,扇桃体,尾状核被殻,側座核,前障,外側中隔核,海馬(CAl領域),鉤状回,内側手網核,大脳皮質,三叉神経脊髄路核,孤束核,脊髄後角に多く認められた。また,両分子種はその細胞分布も異なっており,β_1-PKCは細胞膜を裏打ちするように存在しており細胞膜の反応性との関連が示唆された。一方,β_1-PKCは主として細胞体の核周辺部にドット状に存在し細胞内小器官との関連が示唆された。これらの結果より,両分子種の分布は異なっており,それぞれ異なった機能に関連している考えられる。

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