気管・気管支アミロイドーシスの 1 例

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タイトル別名
  • A Case of Primary Localized Tracheobronchial Amyloidosis

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抄録

まれな気管・気管支アミロイドーシスの1例について報告する。症例は73歳, 女性。喀血を主訴に受診した。気管支鏡検査で気管下部より左右主気管支に多発性隆起性病変がみられ, 右下葉, 左上葉および下葉入口部は著しく狭窄していた。気管支鏡下鉗子生検で気管支粘膜下にアミロイド沈着を認めた。多発性骨髄腫や慢性関節リウマチなどの合併症はなく, さらに直腸および皮膚生検でアミロイド沈着はみられなかったことから, 原発性限局型, 気管・気管支アミロイドーシスと診断した。本症例のアミロイドは過マンガン酸カリウム処理後のコンゴーレッド染色で陽性に染色されることからAA蛋白以外のアミロイド蛋白であり, かつPAP法で免疫グロブリンL鎖k型に染色され, λ型には染色されないことからAL蛋白k型と考えた。PAP法でアミロイド周辺に浸潤した形質細胞もL鎖k型に染色され, アミロイド産生にこれら形質細胞が関与していることを示唆する興味ある所見が得られた。

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 8 (5), 772-778, 1987

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (1)*注記

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