乳癌におけるcyclin E,Her 2,p53発現とその長期予後
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抄録
近年乳癌で細胞周期調節に関与するcyclin Eの異常が有用な予後因子として注目されているが,その意義は確立されていない.10年以上の長期観察がなされている乳癌185例を対象に,免疫染色からcyclin Eならびに癌抑制遺伝子p53発現異常さらには乳癌治療に重要な因子であるHer2発現を解析し,それら分子生物学的因子の異常ならびに従来の臨床病理学的因子に基づき乳癌の予後を検討し,それらの長期予後因子としての有用性について研究した.185例中cyclin E陽性は69例(37%)にみられ,Her2陽性,p53陽性はそれぞれ22%,32%に認められた.cyclin E過剰発現とHer2過剰発現は核分裂像および核異型度と有意な関連がみられ,またHer2発現はホルモンレセプターと逆相関を示した.しかしp53発現はいずれの臨床病理学的因子とも関連は認められなかった.予後との解析から,腫瘍の分子生物学的因子であるcyclinE,Her2,p53発現などは独立した乳癌予後因子となり得なかった.しかしながらリンパ節転移ならびに核異型度は独立した長期予後因子であった.cyclin EおよびHer2発現の乳癌のリスク因子としての有用性は示唆されたが,予後の異なる乳癌集団でのリンパ節転移や核異型度の有用性と比べ,分子生物学的因子としての有用性は低いと考えられた.
収録刊行物
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- 近畿大学医学雑誌
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近畿大学医学雑誌 28 (4), 299-308, 2003-12-25
近畿大学
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1571698601931827200
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- NII論文ID
- 110004299803
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- NII書誌ID
- AN00063584
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- ISSN
- 03858367
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- CiNii Articles