第4回新彊ウイグルシンポジウム「中国新彊ウイグルの環境変動」(研究会)

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抄録

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新彊ウイグルは文型から理系にまたがる基礎科学研究の対象として、また出すとストームの発生、土壌の塩分集積、荒漠化といったような生活環境研究の対象として極めて重要、かつ興味ある地域である。研究発表は長年、新彊ウイグルにおいて調査、研究を行っている5人の研究者によって行われた。上原(緑資源機構)は新彊ウイグル北部のアルタイ地域における実践的な砂漠化防止プロジェクトの成功の詳細を説明した。それによると自然草地の退化面積は自然草地全体の45%近くとなっている。食肉需要により家畜頭数が増加している。羊一頭あたりの草地面積は、4.8ha(1949年)から1.3ha(1995年)に減少したと報告した。杜(農業環境技術研究所)はタクラマカン沙漠の縦断道路の建設と道路周辺の植栽による環境変化、とくに局地気候の変化を放射エネルギーの収支と観測とその解析結果から説明した。安部(防災科学技術研究所)は天山山脈と崑崙山脈のそれぞれ標高2400m、2800mの斜面に気象観測装置を設置してダストの輸送量を見積もった。そして高山帯の氷河に降着するダストの氷河の融解の役割を説明した。石山(千葉大学)はオアシスを形成する河川の水資源総量と衛星データから求めたオアシスの耕作可能地、灌漑農地との関係について報告した。水資源総量がほぼ50億立方平方キロまでは両者は直線の関係があるが、それ以上になると耕作可能地は飽和する。水資源がすべて効率よく利用されるならば灌漑農地とともに耕作可能地も増加してよいはずである。しかし実際には西縁のオアシスのように流域面積が大きくなるほど、耕作可能地の増加につながらないのは、それらの地域では感慨水路の未発達や低い水管

source:Center for Environmental Remote Sensing, annual report

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