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タイトル別名
  • タンニ ト タダ
  • II.人文・社会科学系
  • A semantic analysis of tan-ni and tada
  • II. Humanities and Social Sciences

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抄録

type:text

本稿は, 「限定」の「とりたて副詞」とされる単ニとタダについて, それぞれが現れる文の特徴を考察することによって, 両者の「限定」の仕方を「とりたて」の観点から明らかにするものである。単ニ文とタダ文における文の特徴として新たに指摘できる重要な点は, <タダは単純な事実報告の文に用いられるが, 単ニはそのような文とともに用いられると不自然に感じられる>ということである。また, 単ニを含む文はそれのみで「たいしたものではない」というマイナスのニュアンスが感じられる。これらの文の特徴から, タダと単ニにおいては, 前者か<客観的に捉えられた事態>を<前提集合>として想定することができるのに対し, 後者は<話し手・書き手の主観的尺度に基づく事態>を<前提集合>として想定するという, <前提集合>の在り方の違いが指摘できる。

source:Bulletin of the Faculty of Education, Chiba University

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