劇症1型糖尿病の2例

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  • Fulminant Type 1 Diabetes Mellitus : Report of Two Cases

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抄録

劇症1型糖尿病の2例を経験したので報告する。症例1は46歳,男性。来院5日前からの全身倦怠感,発熱,口渇に引き続き意識障害が出現し入院。随時血糖1505mg/dl,HbA_<1c> 6.2%。症例2は48歳,女性。来院7日前からの上気道炎症状に引き続き全身倦怠感,口渇,嘔吐が出現し入院。随時血糖949mg/dl,HbA_<1c> 5.8%。いずれも糖尿病性ケトアシドーシスと診断されたが,血糖値とHbA_<1c>値の解離を認め,内因性インスリン分泌はすでに枯渇していた。2症例とも入院時の糖尿病関連自己抗体は陰性であったが,症例1では第22病日に抗GAD抗体が一過性に弱陽性に転じた。入院時の血清アミラーゼは,症例2で低値を示していた。今回の症例はいずれも抗GAD抗体や血清アミラーゼの動態が従来の報告例と異なり,本症の病因の多様性が示唆された。

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