<原著>発声発語器官の交互運動能力における教示方法の違いの影響 : 健常成人の場合

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  • <ORIGINAL ARTICLES>The influence of instruction differences on the performance of oral diadochokinesis in normal adults

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抄録

健常者に, 3種の教示条件下で, 口腔器官のディアドコキネシス検査を施行し, 教示方法の違いが, 被験者の課題遂行に及ぼす影響を検討した。対象は, 健常女性31名(平均19.4歳)である。教示は, 音節/pa/, /ta/, /ka/を, (1)できるだけ速く, 5秒間くり返し言う, (2)できるだけ速く, 一息で続く限り長く, くり返し言う, (3)正確に, できるだけ速く, 一息で続く限り長く, くり返し言うの3条件を設定した。その結果, (1)構音の正確さを強調した教示方法では, 強調しない方法に比べ, 口腔器官の交互反復運動速度は有意に低下した。(2)最初の5秒間について, 秒毎に平均音節数を算出すると, 音節/pa/および/ka/の場合には1秒目に比べて, 3秒目もしくは5秒目の音節数が有意に減少しており, 交互反復運動速度に時間的変動がみられた。これに対して音節/ta/では, 音節数に有意な差は認められなかった。(3)交互反復運動速度は, どの教示条件においても.音節/ta/で最も速く, 次いで/pa/, /ka/の順であった。

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被引用文献 (1)*注記

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