<原著>健常者の音読速度と速度調節の方略 : 予備的検討

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  • <ORIGINAL ARTICLES>The oral reading rates and the rate control strategies in normal speakers : A preliminary study

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抄録

健常者20名に文章を音読させ, 音読速度と, 音読速度調節の際に用いる方略を調べた。音読は, 通常, ゆっくり, できるだけ速くの3種の速度で行うよう指示した。健常者の平均音読速度は通常の速度で, 360.6モーラ/分, 335.0音節/分, 89.8文節/分であった。ゆっくりと音読した場合には, 通常速度の場合より, 文全体に占める発話時間の割合が減少し, 休止時間の割合が増加した。できるだけ速く音読した場合には, 通常速度の場合より, 文全体に占める発話時間の割合が増加し, 休止時間の割合が減少した。発話時間, 休止時間の各々をみると, ゆっくりと音読した場合にも, できるだけ速く音読した場合にも, 発話時間に比べ, 休止時間の変化率が高かった。健常者は, 構音運動自体よりも休止時間の増減により, 発話速度の調節を行っていることが示唆された。

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