脳幹部Cavernous Angiomaの自然経過

書誌事項

タイトル別名
  • Natural Course of Cavernous Angioma in the Brain Stem Investigated in 9 Patients

この論文をさがす

抄録

Rigamonti D.の提唱したMRI上のcavernous angiomaのcriteriaに一致する脳幹部血管奇形の出血例9例について臨床的検討を行い,その自然経過を知ることを目的とした。発症年齢は平均30歳で,男性5例,女性4例であった。全例緩徐に発症し,平均7日で神経症状は完成している。病変部位は橋を主体とし,一部中脳へ及ぶものが見られた。腹側が7例で背側が2例であった。経過観察期間は平均6年間で臨床症状から判定すると5例に9回の再出血がみられた。しかし,再出血例を含めて,致死的出血はなく,全例社会復帰している。再出血率は1.8%/年/病変であった。今後さらに母集団の大きな,長期経過観察が必要であるが,手術的治療を行う際にはこのような保存的治療の結果を考慮にいれ,その適応を決定すべきである。

収録刊行物

  • 北里医学

    北里医学 23 (1), 18-21, 1993-02-28

    北里大学

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ