肺高血圧症(PH)でみられる肺動脈駆出血流の2峰性変化の発生機序に関する研究 : 圧脈波反射波の分析

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  • Analysis of development of midsystolic notch in pulmonary flow velocity waveform in patients with pulmonary hypertention (PH)

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抄録

圧反射波(Pb)の分析から肺高血圧症(PH)症例でみられる駆出流速の2峰性変化の成因を検討した。PH症例13例,対照例10例を研究対象とした。心カテ時にmultisensor catheterを用いて測定した圧と流速値からvan den Bosの式により10 msec毎にPb(t)を算出し,以下のparameterを求めた。◎peak Pb(t),◎Q-peak Pb(t)/Q-Q:心電図Q波からpeak Pb(t)迄の時間をそのQ-Q時間で標準化した値。peak Pb(t)はPH群(31±9mmHg)が対照群(9±2mmHg)よりも有意(p<0.01)に高値を示した。PH群のQ-peak Pb(t)/Q-Q(0.38±0.15)は対照群(0.51±0.08)よりも低値(p<0.05)であった。PH群では高率に流速波形の減速期に流速の変曲点(2峰性様変化)が観察され,その発生時期はpeak Pb(t)の時相にほぼ一致していた。以上から,PH症例でみられる流速の2峰性変化は,流速の駆出期におけるpeak Pb(t)の早期出現とその増大による後負荷の増加に対する流速変化の反映であることが強く示唆された。

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