CTで診断しえた閉鎖孔ヘルニアの1例
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抄録
Computed Tomography(以下CT)にて術前診断しえた閉鎖孔ヘルニアの1例を経験したので報告する。症例は76歳,女性で腹痛,嘔吐にて当院を受診。腹部単純X線写真で小腸ガスを多量に認め,イレウス状態であった。CTでは恥骨結節レベルのスライスにて,左外閉鎖筋と左恥骨筋の間に,辺縁が高吸収域で,内部が低吸収域の円形腫瘤を認め,腸管が脱出した左閉鎖孔ヘルニアの嵌頓と診断した。緊急手術を施行し治癒した。閉鎖孔ヘルニアは比較的まれな疾患であるが嵌頓や穿孔のため緊急手術を要することより,早期診断,早期治療が必要である。CTは非侵襲性でしかも簡単であり,客観性,普遍性に富み,すぐに検査できるので閉鎖孔ヘルニアを疑った時にはHowship-Romberg徴候に注意して,ただちに骨盤部CTを施行すべきで,これによりほぼ確定診断できるのではないかと思われる。
収録刊行物
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- 北里医学
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北里医学 25 (6), 572-575, 1995-12-31
北里大学
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詳細情報
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- CRID
- 1571980076878476160
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- NII論文ID
- 110004696857
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- NII書誌ID
- AN00052147
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- ISSN
- 03855449
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- CiNii Articles