赤外線電子内視鏡による早期胃癌症例の検討 - 特に癌巣粘膜内の血管構築と血行動態について -

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on Early Gastric Cancer using Infrared Ray Electronic Endoscopy : With Special Reference to Intramucosal Vascular Structure and Hemodynamics

この論文をさがす

抄録

Indocyanine Green (ICG)負荷赤外線電子内視鏡(IREE)により陥凹型早期胃癌に染色像が得られるとの報告があるが,そのメカニズムは解明されていない。そこで,筆者らは染色の有無と粘膜内微小循環系との関連を明らかにするために静態及び動態的検討を行った。早期胃癌24例をIREE所見から染色陽性例と陰性例,各々12例に分け,両群の染色の有無と粘膜内血管床を病理組織学的に比較検討した。血管の断面積,数,短径の病巣部/健常部比はいずれも染色陰性例に比し陽性例で有意に高く,染色の有無と血管床の密接な関連性が定量的に証明された。さらに,早期胃癌11例を対象に,定量的かつ経時的にゴム円盤を指標とした相相反射率(染色濃度)を算出し,血行動態的観察を行った。染色陽性例では病巣内の相相反射率の遷延(濃染の持続)を認めた。以上より,ICG負荷IREEによる癌巣部での染色は粘膜内血管床の増大によるICGの流入の増加,更に同部における血流のstasisないしpoolingによるものと考えられた。

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ