中脳水道狭窄症に対する神経内視鏡的第3脳室開窓術

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タイトル別名
  • Neuro-Endoscopic Third Ventriculostomy for Aqueductal Stenosis

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抄録

4例の閉塞性水頭症に対して内視鏡的第3脳室開窓術を施行した。原因は,松果体嚢胞の1例と他の3例は特発性中脳水道狭窄症であった。症状は小児例で眼位異常で他の成人例では頭蓋内圧亢進および記憶障害であった。シネMR像にて全例中脳水道の髄液信号の消失を認めた。内視鏡的第3脳室開窓術を施行した結果,手術合併症は認められず術直後に症状は全例改善した。しかし,術直後シネMR像にて第3脳室内に信号変化が認められなかった2例ではその後水頭症が再発した。水頭症が再発した小児例では術中内視鏡下に脳室内出血が確認された。髄液通過障害に加えて髄液吸収傷害性の要因の存在が推測された。術後の経過観察には,シネMR像が有効な手段であり,また本手術の適応にはこのように髄液吸収傷害性の要因の除外が必要であるが,今後症例を選択することにより低侵襲で効果的手術法と考えられる。

収録刊行物

  • 北里医学

    北里医学 27 (4), 238-245, 1997-08-31

    北里大学

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