水疱性類天疱瘡20例の免疫学的検討
書誌事項
- タイトル別名
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- Immunological Studies in 20 Patients with Bullous Pemphigoid
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抄録
臨床的および病理組織学的に水疱性類天疱瘡(bullous pemphigoid; BP)と診断した20例の蛍光抗体法所見について詳細に検討した。紅斑ないしは水疱辺縁部の蛍光抗体直接法では,表皮基底膜部にIgG(90%),C3(100%)の沈着が高率に認められた。一方,水疱部での陽性率はやや低く70〜80%であった。正常皮膚を基質とした蛍光抗体間接法では,95%の症例にIgG型血中抗基底膜抗体を認めたが,1 M NaCl剥離皮膚を基質とした場合,全例に血中抗基底膜抗体が検出された。1 M NaCl剥離皮膚を基質とした抗基底膜抗体の反応部位は20例中19例が表皮側であることからBPと診断した。1例は真皮側に反応し,免疫ブロット法で真皮の290 kD抗原に対する抗体を有することから後天性表皮水疱症(epidermolysis bullosa acquisita; EBA)と診断した。以上の結果より,正常皮膚および1 M NaCl剥離皮膚を用いた蛍光抗体間接法は簡便であり,BPおよびEBAの迅速な診断に有用であることが示された。また,蛍光抗体直接法を施行する場合,紅斑ないし水疱辺縁部の陽性率が高いことを考慮して生検組織を得ることも大切であることが確認された。
収録刊行物
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- 北里医学
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北里医学 29 (2), 63-69, 1999-04-30
北里大学
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1571417126925615744
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- NII論文ID
- 110004698201
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- NII書誌ID
- AN00052147
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- ISSN
- 03855449
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- CiNii Articles