農業の教育機能の発揮とその課題 : 酪農教育ファームを事例として

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  • ノウギョウ ノ キョウイク キノウ ノ ハッキ ト ソノ カダイ ラクノウ キョウイク ファーム オ ジレイ ト シテ

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農業の有する多面的機能の一つとして、教育機能が挙げられるが、その具体的な機能を農業経営活動の中にどのように取り入れていくのかという視点からの考察はなされていない。そこで本稿では、教育機能の発揮に関して取り組みが最も進んでいる酪農教育ファームを対象として、事例調査の結果を踏まえて農業の教育機能の展開に関する課題を考察した。主な結果は、以下のとおりである。1)酪農教育ファームは、義務教育課程で活用され地域社会に貢献しているが、トイレの不足など今後の利用者の増加に対応した整備が必要といえる。2)教育機能は利用者のみならず、提供者である農家側にとっても、新たな農業の可能性を認識することで教育機能が深刻化する効果をもたらしている。3)地域社会との関係では、提供する体験サービスの料金を回収できないため、地域への正の外部経済効果として農家側が未回収となっている。その原因は、外部効果が適切に認識されていないという情報の非対称性があるためであり、その解消のために、農業の教育機能についての社会的な認知を高める措置を積極的に講じる必要がある。

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